大判例

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東京簡易裁判所 昭和39年(ハ)347号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕被告販売会社が日産自動車販売を営業とするものであること、右営業に関連して被告販売会社が被告保険会社の損害保険代理店を営むものであること、昭和三八年四月八日原告と被告販売会社との間に、頭金のうち三万六八〇〇円についての契約内容の点を除きその余は原告主張のとおりの約定の自動車割賦売買並びに使用貸借等の契約が締結されたこと、原告が即日右性質につき争いのある三万六八〇〇円および即時払自動車代金二七万九〇〇〇円合計三一万五八〇〇円の頭金を支払い自動車の引渡を受け爾来割賦金を滞りなく支払つてきたこと、被告販売会社が原告から受取つた三万六八〇〇円のうち一万七〇三〇円をもつて直に保険期間一ケ年の自動車保険に加入し、五二七五円をもつて保険期間二ケ年の自動車損害賠償責任保険に加入したが、第二年目については自動車保険に加入せず、昭和三九年三月中原告に対し、第二年目については保険料率に改訂があつて預り金では不足を生じたから更に一万一三三〇円を四月二日までに送金ありたい旨の通知をしたことはいずれも当事者間に争いがない。<中略>

<証拠によれば>原告は右契約当時において第二年目の保険料とするために三万六八〇〇円のうち一万四四三〇円を被告販売会社に預けることを了承して右金円を同被告に交付したものと認めるを相当とする。<中略>

次に原告は仮に一万四四三〇円を被告販売会社が第二年目の保険料として預つたとしても被告販売会社は被告保険会社の損害保険代理店を営むものであるから、右預金契約および金員を預ることは募取法の規定に違反し、右契約は無効である旨主張するので考えるのに、被告販売会社は自動車販売を営業とし、それに附随して自己の販売自動車に関する自動車保険の代理店を営むものであることは前記のとおりであるが、第二年目の保険料たるべき一万四四三〇円を原告から預る段階および右を一ケ年間預つている段階においては被告販売会社は単に自動車販売者たる資格で行動しており、第一年目の保険期間の切れる間際となり第二年目の自動車保険の申込をなす段階に至つて始めて保険代理店たる資格において行動するものと解するのが前段までに説明した原告、被告販売会者間の契約関係に最も適合するというのを相当とすべく、前記のとおり被告販売会社が原告から金員を預る最初の段階において原告から第二年目のための保険申込書を預つて置いた事実を考えても、右見解はこれを動かすことはできず本件預り金に関する契約は募取法に違反するものということはできない。よつて右契約が募取法に違反して無効であることを前提とする原告の損害賠償の請求もまたこれを認容することができない。(内田初太郎)

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